電子帳簿保存法に対応したファイル名の付け方
メールやWebで受け取った請求書・領収書を、あとから探せる形で保存するための具体的な書き方をまとめます。
なぜファイル名を変える必要があるのか
メールやWebで受け取った請求書・領収書は「電子取引データ」にあたり、受け取った形のまま保存する必要があります。 このとき、あとから「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つで検索できる状態にしておくことが求められます。
この状態を作る方法は、大きく3つあります。
- ファイル名に3項目を入れる — 追加の費用がかからない。ただし1件ずつ手で打つ必要がある
- 索引簿(一覧表)を作る — Excelなどに記録する。これも手入力になる
- 対応システムを使う — 確実だが費用がかかる
このページでは1つ目のやり方を扱います。索引簿については 索引簿の作り方を参照してください。
基本の形
3項目を、区切り文字でつないで並べます。
20260531_110000_株式会社ABC商事.pdf
左から、取引年月日・取引金額・取引先です。日付は YYYYMMDD、金額はカンマなしの数字にします。
書類の種類も入れておくと、あとで見分けやすくなります。
20260531_110000_株式会社ABC商事_請求書.pdf
並び順は決まっているか
3項目が入っていることが要件であって、順番そのものが決められているわけではありません。 ただし途中で並び順を変えないことが重要です。 日付から始めておくと、フォルダ内で自動的に日付順に並ぶので扱いやすくなります。
金額はどれを入れるのか
その取引の総額(税込の請求金額・支払金額)を入れます。小計や税額ではありません。
カンマや円マークは入れず、110000 のように数字だけにします。
記号が入っていると、検索したときに引っかからないことがあるためです。
つまずきやすいところ
取引先名の表記ゆれ
同じ相手なのに 株式会社ABC商事 ABC商事 (株)ABC商事 と書き分けてしまうと、
検索したときに一部しか出てきません。これが実務でいちばん困る失敗です。
対策は単純で、一度決めた書き方を必ず使い回すことです。 取引先の一覧をどこかに作っておき、そこからコピーするようにします。
ファイル名に使えない文字
\ / : * ? " < > | はWindowsのファイル名に使えません。
取引先名に / が含まれる場合などは、削除するか別の文字に置き換えます。
空白もトラブルのもとなので、アンダースコアに変えておくのが無難です。
同じ日に同じ取引先から2通届いたとき
日付・金額・取引先がすべて同じだと、ファイル名が衝突します。 末尾に連番を足して区別します。
20260531_110000_株式会社ABC商事_請求書_2.pdf
このとき、索引簿を併用しているなら、索引簿側にも同じファイル名を書いておきます。 そうしないと、どちらの取引を指しているのか分からなくなります。
スキャンした紙の書類は対象か
このページで説明しているのは、メールやWebで受け取った電子取引データの話です。 紙で受け取ったものをスキャンして保存する場合は別の区分になり、要件も異なります。混同しないよう注意してください。
検索要件が不要になる場合
基準期間の売上高が一定額以下で、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられる場合は、 検索機能の確保が不要とされています。該当するかどうかは事業規模によって変わるため、 自社が当てはまるかは顧問税理士や所轄の税務署に確認してください。
このページで説明した作業は、トップページのツールで自動化できます。 PDFをドロップすると、日付・金額・取引先を読み取ってリネームし、索引簿と経費集計を書き出します。 登録もインストールも不要で、ファイルは端末の外に出ません。